ノボロシスク港やトアプセ港を攻撃

 ウクライナは、前述の例にあるとおり、クリミア半島全域の防空兵器をほとんど破壊したと思われる。

 このことにより、次に黒海沿岸のクラスノダール地方の港や石油関連施設を破壊することができるようになった。

図2 クリミアとノボロシスクの防空とウクライナの攻撃

出典:筆者作成
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前段階:ノボロシスク基地により、長距離防衛されていたはずが、防空兵器が破壊された。

現段階:基地破壊経路の防空がなくなり、ミサイル等が容易に到達できた。

 そうして、ウクライナは9月24日に無人機でノボロシスクとトアプセの両石油施設を攻撃した。

 次に、トアプセ港に対して11月2日に無人機攻撃を行い、石油ターミナルやタンカーを破壊。

 11月10日には、無人水上艇の攻撃により埠頭の一部を破壊。

 11月11日には、フラミンゴ巡航ミサイルの攻撃により、石油タンクや輸出施設を破壊した。

 フラミンゴ巡航ミサイルには、1トンの爆薬が搭載されていて、トアプセ港にはかなり大きな弾痕(クレーター)の映像が確認された。

 続いて11月14日、ロシアのノボロシスクの港湾、石油施設および防空基地を無人機で攻撃した。

 ウクライナはクリミアを越えて、次々とクラスノダール地方の港湾への攻撃ができるようになったのである。