金欠国民のためのバラマキがインフレを呼ぶ悪循環
実質ベースで雇用者報酬が伸び悩み、これと足並みを揃えるように個人消費も伸び悩んでいる。その状況下、資産運用に回す原資が潤沢に増え続けるという道理はない(図表③)。
【図表③】

ギャラリーページへ
「インフレから身を守るためには資産運用が必要だが、資産運用をするための原資がインフレで削られる」という現状に直面した結果、出てくる国民の声は「お金がないのでお金がほしい」である。拡張的な財政・金融政策を謳う高市政権への支持率が高まるのは必然でもあろう。
「インフレ→お金がない→拡張的な財政・金融政策がほしい→さらにインフレ→さらにお金がない」という悪循環にはまっているわけだ。
高市内閣に最も期待する政策の論点は相変わらず「物価高対策」だが、その際に最も期待される手段が「食料品の消費税ゼロ(30%)」となっている現状を見る限り(10月のJNN世論調査)、この悪循環は途切れそうにない。