Tapani HellmanによるPixabayからの画像
なぜクマ被害が急増し始めたのか
近年、日本の山間部や里山でクマの出没が急増しています。
秋田、岩手、新潟、富山などの各県では、人身被害が過去最多を記録しました。
私も地方企業の経営者として現場を訪ねる機会が多く、農家の方々から「夜の作業が怖くてできなくなった」「畑が荒らされて収入が減った」といった声を聞きます。
この問題は単なる獣害ではなく、地域経済や高齢化、気候変動など複数の社会課題が絡み合った現象です。
そして今、AI(人工知能)がその課題解決の糸口として注目され始めています。
そもそも、クマが里に下りてくるのはなぜでしょうか。原因の一つは、餌となるブナの実やドングリなどの不作です。クマは食料を求めて人里に近づくようになりました。
もう一つは、里山の管理放棄です。
草刈りや間伐が行われなくなった結果、森林と集落の境界が曖昧になり、クマが迷い込みやすい環境になっています。
さらに狩猟者の減少も大きな要因です。高齢化によりハンターの数はこの20年で半減しました。
クマが人を恐れなくなり、結果として人の生活圏にクマが常駐する現象が各地で起きているのです。