(写真:AP/アフロ)

突然増えなくなりだした、「いいね」の数

目次

 X(旧ツイッター)やフェイスブックでかなりの「改悪」が行われたことをご存じだろうか。それがいったいどんなものなのか、この場を借りて紹介したい。

 まずはX。これまでは自分のお気に入りの人を「フォロー」すれば、その人が何か新しい発言をしたら優先的に表示される仕組みだった。これにより、お気に入りの人が今日は何を発言したかを簡単に確認することができた。

 Xでは、1万人以上のフォロワーを抱える人は「インフルエンサー」と呼ばれる。インフルエンサーが発言すると、フォロワーのかなりが読んで「いいね」を押す。「いいね」が増えればさらに表示されやすくなり、フォロワー以外の目にも留まりやすくなり、さらに「いいね」がつく。こうしてインフルエンサーの発言はかなりの発信力を誇るようになる。近年は新聞やテレビなどが「オールドメディア」と呼ばれるようになったのは、XをはじめとするSNSの登場が大きいだろう。

 ところが、そのXに異変が起きている。Xを開いても、自分がフォローしたはずの人の発言が一向に表示されない。インフルエンサーが興味深い発言を繰り返しても、ろくに表示されないから「いいね」がつかない。「いいね」がつかないからインフルエンサーの発言はさらに表示されなくなる、という悪循環が起きている。

 この異変は、11月あたりから起きたらしい。実は私もインフルエンサーと呼ばれる類らしく、フォロワー数は14万人を超えている。特に子育て系の発言をすると、これまでは「いいね」が百を下ることはめったになく、しばしば万を超える。しかしその「異変」を境に、20~30個くらいの「いいね」しかつかなくなっている。

 私の発言が面白くなくなって、反応してもらえなくなったのだろうか?と思ったら、私のフォロワーをしてくれている人から「一向に表示されなくなった」と教えてもらった。そこで、私以外のインフルエンサーの発言を見てみると、やはり同時期に「いいね」数が激減しているケースが広く確認できた。ただし、政治ネタの発言は比較的表示されやすいらしく、11月以降も「いいね」をたくさんもらっているインフルエンサーがいるようだ。

 XのAIであるGrokにこの異変について問い合わせたところ、やはり11月に入ってから、Grokが投稿の「品質」を評価し、表示を増やすかどうかを決定する仕組みに本格移行したのだという。Grok様のお気に召さなければ、いくら大量のフォロワーを抱えていようと、表示もしてもらえなくなるというわけだ。しかしXの利用者からすれば、見ず知らずの赤の他人の発言まみれで、自分が読みたい人の発言は一向に表示されない状態。