アインシュタイン、グリーンスパン、ライス
本連載の読者にはお馴染みと思いますが、東京大学のSTREAMMとは
S = Science(科学)
T = Technology(技術)
の理系と同じ比重で
R = Reflection(省察)、つまり文系の諸学と
E = Ethics(倫理)が明記されている。
これは「自動運転車」のような高度自律システムが事故を起こした際、どのように責任が訴求されるかといった社会的問題が、AIが普及した時代には不可避だからです。さらに
A = Arts(システムを創成する「技」)と
M = Mathematics(数理)そして
M = Musica(ムジカ)
は古典的な自由七学科(文法・修辞・弁証法/算術・幾何・天文と Musica )にもあった調和の学としてのミューズ(Muse)の女神の諸学をも含む概念です。
米国製の水で薄めた即戦力&切り捨て前提の「STEM」「STEAM」などではない、その人の生涯を支える基礎の力として10年の積み重ねを経た結果を「小学校の算数」にも「第九指揮教室」でもお教えするものです。
国立大学の社会貢献ですので、ここでご紹介するものには特段のお金はかかりません。お子さんも含め、どうぞお申込みいただけたらと思います。
この教室でかつて学んだ中には、音楽家として東京芸大、同大学院などに進んだ子もあれば、現在も東京大学・同大学院に在籍して、サイエンスの先端を開拓する人材も育っています。
スポーツを経験しても全員がアスリートになるわけではないように、音楽をきちんと学んだ人が、様々な分野で活躍する。かつてのFRB(米連邦準備制度理事会)議長アラン・グリーンスパン(ジュリアード音楽院) や、米国初のアフリカ系女性国務長官コンドリーザ・ライス(アスペン・ミュージックセンター/デンバー大学)など、音楽で「地アタマ」非認知能力を伸ばし社会で活躍した人材は、欧米では決して少なくないことは、アルバート・アインシュタインやマックス・プランクの例を挙げるまでもなく、国際的には常識です。