「米国が欠けていても国際的な気候行動のコンセンサスは強固だ」
李氏の「再エネ無限循環システム」には太陽光発電開発事業への垂直展開、グリーン水素製造などへの水平展開で企業の生き残りを図る狙いがあるのは間違いない。気候変動対策の世界展開は中国の習近平国家主席が力を入れる一帯一路戦略の一環だ。
COP30のイベントでは隆基緑能だけでなく、電気自動車(EV)メーカーなどさまざまなグリーンテクノロジー企業が登壇した。
中国にはCOP30で大目標がある。「米国が欠けていても多国間主義は依然として重要であり、気候行動に関する意味のある国際的合意は形成できる。国際的な気候行動のコンセンサスは依然として強固だ」というメッセージを国際社会に送ることだ。
盛況の中国パビリオン(筆者撮影)
中国パビリオンの開会式には国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のサイモン・スティル事務局長、セルウィン・ハート国連事務総長特別顧問(気候行動担当)、国連環境計画(UNEP)のインガー・アンダーセン事務局長、世界各地の国際NGOの代表も登壇した。
しかし石炭使用の削減に関する中国側の具体的な期待や数値はほとんど示されていない。その一方で公正な移行やクリーンエネルギー移行がいかに開発や経済成長に結びつくかという点が強調される。中国が強く警戒しているのは保護主義、関税、炭素税だ。
