中国広東省恵州市にある太平嶺原子力発電所2号機の建設現場=2023年8月撮影(写真:VCG/アフロ)
「中国はいかに原子力で米国を追い抜いたのか」
[ロンドン発]米紙ニューヨーク・タイムズは「中国はいかに原子力で米国を追い抜いたのか」(10月22日付)と題し「中国は世界の他の国を合わせた数に匹敵する原子炉を建設中だ。太陽光パネルや電気自動車(EV)だけでなく原子力も驚異的ペースで拡大している」と報じた。
それによると、2013年に米国で1世代ぶりに2基の原子炉の新設が始まったものの、工事は7年遅れ、予算は170億ドル超過した。同じ期間に中国は原子炉を13基建設し、さらに33基が建設中だ。30年までに中国の原子力発電容量は米国を上回る見通しだ。
「米国はドナルド・トランプ大統領の下で石油・ガス・石炭といった化石燃料の主要供給国としての地位を確立している。中国は太陽光パネル、風力タービン、バッテリーの製造で優位に立ち、再生可能エネルギー市場は将来、数兆ドル規模になるとみる」(NYT紙)
原発は石炭・ガス火力発電と異なり地球温暖化の原因の二酸化炭素を排出しない。季節や天候に左右される風力・太陽光発電と違い安定的に発電できるベースロード電源として使える。自立自強を進める中国は再エネだけでなく原発、“究極のエネルギー”核融合開発にも力を注ぐ。