オープンAIのスターゲート計画で5つのデータセンターを建設中のテキサス州にある建設現場(9月23日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
AI開発を主導する米オープンAIが、ソフトバンクグループ(SBG)や米オラクルと連携し、米国内のAIインフラを整備する巨大計画「スターゲート」の拡張を9月下旬に発表した。
今後3年間で4000億ドル(約60兆円)超を投じ、5カ所に新たなデータセンターを建設する。
この動きは、対話AI「Chat(チャット)GPT」の爆発的な需要に対応するとともに、人類の知能を超えるとされる「AI超知能(AI Superintelligence)」の実現に向けた開発競争が、計算資源(コンピュート)の確保という新たな段階に入ったこと示している。
巨大計画、前倒しで進行
スターゲート計画は、オープンAIなどが次世代AIの開発と運用に不可欠なインフラを確保するために立ち上げたものだ。
今年1月には、ドナルド・トランプ米大統領との共同会見で、今後4年間で総額5000億ドル(約75兆円)を投じると発表していた。総電力容量10ギガ(ギガは10億)ワットのAIインフラ構築を目指している。
今回の発表は、この計画を具体化し、加速させるものと位置づけている。
南部テキサス州や西部ニューメキシコ州など5カ所の新拠点を加えることで、既存施設と合わせて総電力容量は約7ギガワットに達すると見込む。
これは原子力発電所7基分に相当する規模であり、計画は「予定より早い2025年末までに当初目標に達する勢い」だという。
オープンAIのサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)は、「AIがその可能性を発揮できるのは、それを動かすコンピュートを構築してこそだ」と述べ、計算基盤の重要性を強調した。
この巨大プロジェクトは、2万5000人以上の現地雇用に加え、全米で数万人の雇用を創出すると期待されている。