OpenAIのCEOサム・アルトマン氏(写真:AP/アフロ )

AIに注力するテック企業の評価額は割高

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[ロンドン発]英中央銀行、イングランド銀行の金融政策委員会(FPC)は10月2日付議事録を公開、その中で「株式市場のバリュエーション(評価額)は割高に見え、特に人工知能(AI)に注力するテック企業はその傾向が顕著」と指摘したことが大きなニュースになった。

 議事録によると、多くのリスク・プレミアム(リスクに対する追加利回り)指標は一段と圧縮され、世界的なクレジット・スプレッドは歴史的な低水準に近づいている。株式市場の評価額は第2四半期以降上昇し、史上最高水準に迫る。

 好調な第2四半期決算に支えられたビッグテック企業の株価上昇で米国株式指数(特にS&P500)内での集中度は過去最高水準に達している。S&P500の上位5銘柄が占める時価総額シェアは約30%に達し、過去50年間で最も高い。

 特に米国株式の評価額は割高に見える。景気変動調整後のPER(株価収益率)と言われる「CAPE」の逆数である益利回りは過去25年で最低水準に近く、ドットコムバブルのピークと同程度になっている――と議事録は解説する。