強気の高市首相への期待
王毅のジャパンスクールコンプレックスや外交部内権力闘争が原因、というのは与太話として聞き流しておくとしても、薛剣の暴言、ふるまいをみると、やはりジャパンスクール外交官のレベルは低い、というのは本当かもしれない。
それは、日本に対してはいくら暴言を吐いても、日本は「遺憾」や「抗議」を口先でいうだけで、御しやすい外交相手とみなされている部分はあろう。
薛剣の暴言は今に始まったことではないのに、今回、特に国際世論も一緒になって反発しているのは、日本の今の政権が高市政権だからであろう。つまり、暴言をいくら吐いても曖昧(あいまい)な笑みを浮かべて、ことなかれ主義でやり過ごそうとする従来の日本政府とは一味ちがうはず、という期待が国内外にあるのだ。
ここは、この期待に高市政権は応えるべきではないか。薛剣駐大阪総領事をペルソナ・ノン・グラータとし、日本から退去いただこう。それが、中国外交の劣化を食い止めてあげる、という意味でも、両国にとってプラスとなろう。
福島 香織(ふくしま・かおり):ジャーナリスト
大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。主な著書に『なぜ中国は台湾を併合できないのか』(PHP研究所、2023)、『習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』(かや書房、2023)など。
