2025年10月18日、第102回箱根駅伝予選会、力走する選手たち 写真/共同通信社
(スポーツライター:酒井 政人)
神奈川大と日体大は大逆転に成功
今年の箱根駅伝予選会もボーダーライン付近の争いが熾烈だった。昭和記念公園内の折り返し地点となる17.4km通過時で8位から12位までのタイム差は2分08秒。立大、法大、神奈川大、専大、日体大の5校が“残り3枚のキップ”を争うかたちになった。
そのなかで最高位となったのは10km通過が15位だった神奈川大だ。12km付近で大岩蓮と平川瑠星(ともに3年)が転倒に巻き込まれるも、15kmで11位、17.4kmで10位に浮上する。宮本陽叶(4年)が個人34位(1時間2分50秒)でチームトップを飾ると、大岩も同122位(1時間4分03秒)と健闘。最後は7位(10時間36分07秒)まで順位を押し上げて、3年連続56度目の出場をつかんだ。
神奈川大と同じように、日体大も終盤に“急上昇”した。平島龍斗と田島駿介(ともに4年)を単独走で行かせて、残り10人は「キロ3分02秒」ペースで集団走を実施。10km通過が19位と前半は出遅れるかたちになったが、玉城良二駅伝監督は選手を信じていた。
平島が日本人2位となる個人8位(1時間2分06秒)、田島が同16位(1時間2分15秒)と好走。山崎丞(4年)が15kmからの5kmを14分36秒まで引き上げるなど、「終盤上げてくれると思っていました。戦略通りです」と指揮官は胸を張った。
最終的には9位(10時間36分14秒)で78回連続出場を決めた。
「第101回大会が終わってから、毎日焦っていました」と玉城監督。“連続出場”の重圧があっただけでなく、「予想より気温が高くなりましたが、全体のレベルの高さを感じました」とレース中もドキドキがとまらなかったようだ。
それでも、「10人がしっかり走ってくれました。戦略通りにキチッとやれた自信を全日本や箱根につなげたい」と来年正月の晴れ舞台にあがることを喜んでいた。