試乗したアウディ「A6 Avant e-tron」。車高を低く見せるためのボディサイドのデザイン処理がスポーティなイメージを増幅させている印象(写真:筆者撮影)
アウディの最新モデル「A6 Avant e-tron」と「SQ5」を静岡県内の公道で比較試乗した。単なる比較ではなく、アウディの電動化戦略全体を体感することが、筆者の目的だ。感想は「アウディは電動化に対する迷いがなくなり、本格電動化時代のスターティングラインに立った」というもの。どういう意味か、順を追って見ていこう。
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
まずは、「A6 Avant e-tron」に乗った。
そう聞いても、アウディに馴染みのない人はどんなモデルかイメージできないかもしれない。そのため最初にアウディのモデル名の法則をご紹介しておく。
アウディのモデル名は大きく「A」と「Q」に分かれる。「A」がセダン、ステーションワゴンのような形状のAvant、さらにスポーティなスポーツバック。対する「Q」はSUVとスポーツバックで構成される。
またスポーティ仕様の「S」があり、「A5」の「S」は「S5」、「Q5」の「S」は「SQ5」を名乗る。
数字は1から8まであり、数字が大きくなるほど上級クラスで、四輪駆動は「クワトロ」、そして「e-tron」はEVを意味する。
つまり、今回試乗した「A6 Avant e-tron」は二輪駆動の上級EVだ。
ボディサイズは全長4930mm×全幅1925mm×全高1510mm、ホイールベースが2950mm。
システム最高出力は280kW、最大トルクは580Nm、電池容量は100kWhで満充電での航続距離は731km(レンジプラス・パッケージは846km)。走行性能は最高速度が時速210km、停止状態から時速100kmまでの加速が5.4秒だ。
アウディ「A6 Avant e-tron」のリアハッチやドアを開けた状態(写真:筆者撮影)