報道陣向け公道試乗会に参加中、横浜元町の一角にてN-ONE e:を撮影した(写真:筆者撮影) 0252
ホンダの軽自動車「Nシリーズ」のEV第2弾である「N-ONE e:」を横浜市街地で試乗した。ガソリン車「N-ONE」をベースにデザインを変更し、女性をターゲットに仕立てた。2040年には、グローバル販売の100%をEV(電気自動車)と燃料電池車にするというホンダの中長期計画において、日本は軽自動車市場でのEV拡大が急務である。そんなN-ONE e:に乗り、ホンダ開発関係者らと意見交換していくと、「なぜ、売れ筋のN-BOXのEV版が早く出ないのか?」という謎が解けた。
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
まずは、N-ONE e:について詳しく見ていこう。
屋外で実車を見ると、「N-ONEと印象がちょっと違うな」と感じる。なぜなら、エクステリアデザインでかなり手を加えているからだ。
よく見るとエクステリアデザインはN-ONEとはかなり違う(写真:筆者撮影)
担当デザイナーは「デザインとしての重心をかなり上に置いた」と説明する。
そもそも、N-ONEはボディ四隅のタイヤがドッシリとしたイメージで、前から見るとカタカナの「ハの字」っぽいデザインになっている。軽自動車の中ではプレミアムな存在という立ち位置だからだ。
一方、N-ONEをベースに商品企画されたN-ONE e:は、N-ONEのエンジンをモーターに変更しただけの、いわゆるEVコンバージョンではなく、エクステリアデザインを刷新している。
イメージしているのは、ターゲットユーザーである40〜50代(および20代)の女性が、自宅周辺のコミュニティで、新しい時代に向けた追い風を受けて軽快に生きる、というような姿。
N-ONEよりもフードを少し上げ、クルマの後部も少し上げることで、ボディデザイン全体の重心イメージを上げた。
フロントフードの内部。駆動方式はFF=前輪駆動(写真:筆者撮影)
また、乗り手を選ばないつるんとしたサーフェイス(ボディ面)であるけれど、N-ONEを含むNシリーズのヘリテージを、フロントライトなど各所で継承しているのが特長だ。
インテリアも、上がったフードから車内に風が吹くような連続性をもたせたり、シフタースイッチ類をダッシュボードの見えやすい場所に設置したり、直感的に様々な物を置けるスペースがあったり、サッと乗ってパッと走り出すことに違和感のないシートやインテリア造形などにこだわった。
スッキリかつ上質感の高いインテリア(写真:筆者撮影)
商品としてのグランドコンセプトは「e:Daily Partner(イー デイリー パートナー」だ。
では、走りはどうか。