2025年10月13日、第37回出雲全日本大学選抜駅伝競走、7位でゴールする青学大の黒田朝日、自身は区間賞を獲得 写真/スポーツ報知/アフロ
(スポーツライター:酒井 政人)
3冠を意識していた駒大と青学大は5位と7位
今年の出雲駅伝は“6強”と呼ばれたチームがトップスリーを占めた。國學院大、早大、創価大の3校だ。一方で残りの3校はどうなったのか。有力校の“誤算”を聞いた。
前回2位の駒大は今年も佐藤圭汰(4年)を欠きながら序盤は素晴らしいレースを展開した。1区の谷中晴(2年)がトップと2秒差で好発進すると、2区の帰山侑大(4年)が中大をかわして首位に立つ。終盤、早大・山口智規(4年)に抜かれたが、5秒差で踏みとどまった。
3区の桑田駿介(2年)は早大・鈴木琉胤(1年)に追いつき、中間点付近まで並走したが、後半は苦しくなる。終盤、一気にペースダウンして、トップに浮上した城西大と1分02秒差の7位に転落した。4区の伊藤蒼唯(4年)と6区の山川拓馬(4年)が区間2位と力走するも、アイビーリーグ選抜に15秒届かずに5位でフィニッシュ。3冠の野望が潰えただけでなく、学生三大駅伝で4年ぶりにトップスリーを逃した。
「駅伝は1区間でも流れを止めてしまうと、なかなか難しいのを痛感した大会になりました」と藤田敦史監督。ブレーキとなった3区の桑田については、「非常に良い練習をやっていたので走れない原因が本当に分からない」と首をかしげた。それでも次の全日本に向けては、「佐藤圭汰が戻ってきますので、大会を盛り上げられるようにやりたい。面白い戦いができると思っています」と前を向いた。
箱根駅伝王者・青学大は序盤でつまずいた。1区の小河原陽琉(2年)が6位でスタートしたが、当日変更で2区に入った折田壮太(2年)のスピードが上がらない。順位を5つ落とすと、3区に抜擢された飯田翔大(2年)も区間10位と伸び悩んだ。4区の神邑亮佑(1年)も順位を上げられず、11位のまま終盤戦へ。
5区の塩出翔太、6区の黒田朝日。4年生コンビが“連続区間賞”で意地を見せるも、7位に押し上げるのが精一杯だった。大会前日、「アンカーに大砲を置くことで、前の5人が伸び伸びと走ることができるかなと思っています」と原晋監督は話していたが、「ばけばけ大作戦」は失敗に終わった。