優良物件を見極めるポイントとは(写真:mapo/イメージマート)
マンション価格の高騰や金利上昇が報じられるが、東京の不動産投資市場は依然として活況を呈している。投機的な不動産投資ではなく、年収500万円台からでも始められる中古マンション投資にこだわる天田浩平氏が優良物件を見極めるルールを明かした。
※本書は『東京〈中古〉マンション投資の教科書』(ビジネス社)の一部を抜粋・編集しています。
投資マンションを選ぶ際、多くの人が見落としがちなのですが、プロの目から見ると極めて重要な判断基準があります。それが、建物全体の「総戸数」です。
結論から言えば、投資用マンションとして購入するなら、総戸数は最低でも「20戸以上」ある物件を選んだ方がリスクを回避できます。できれば30戸以上あれば、さらに安心感は高まります。
なぜ、総戸数が少ない物件は避けるべきなのでしょうか。その理由は、大きく分けて二つあります。
総戸数が少ないと「管理・修繕コスト」が高い
一つ目は、「管理・修繕コスト」の問題です。
マンションは、長期的な資産価値を維持するために、定期的な大規模修繕(外壁塗装や屋上防水など)が不可欠です。その費用は、全戸のオーナーが毎月積み立てている「修繕積立金」から捻出されます。総戸数が少ないと、1戸あたりの修繕費用の負担額が相対的に大きくなってしまいます。
例えば、大規模修繕を行う場合、50戸のマンションでは費用が3000万円程度で、1戸あたりの負担は60万円ですが、10戸のマンションでは1000万程度で、1戸あたりの負担は100万円にもなります。
積立金だけでまかなえず、一時金の徴収が必要になるケースも少なくありません。こうした予期せぬ出費は、投資計画を大きく狂わせる原因となります。
