記者会見でミッション「ADRAS-J(アドラス・ジェイ)」について語るアストロスケールホールディングスの創業者でCEOの岡田光信氏(2023年9月26日、写真:つのだよしお/アフロ)
(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)
高市早苗自民党総裁が誕生し、近く開かれる臨時国会で内閣総理大臣に選ばれる見通しです。いろいろな意味で注目されている高市氏は、2022年8月から2024年10月まで内閣府特命担当大臣(宇宙政策担当)を務めていたため、宇宙政策にも精通しています。
プレジデントオンラインが4月に公開した動画では、日本のスタートアップ企業アストロスケールホールディングス(東京都墨田区)に触れ、同社の技術と存在があったことから、日本で開催されたG7においてスペースデブリ(宇宙ゴミ)を議題に挙げたと語っていました。
この動画内で高市氏自身が言及していますが、このスペースデブリ除去技術は軍事にも転用できます。それは、防衛省や米軍も認めており、既に契約も結ばれている状況です。
アストロスケールはそのスペースデブリ除去技術を、5月に開かれた軍事装備の展示会「DSEI Japan2025」で展示しました。以下では、DSEI Japan2025での取材に基づき、高市新総裁も推す同社のスペースデブリ除去技術と、米軍さえも注目する軍事転用におけるその高い価値を解説したいと思います。
DSEI Japan2025でデブリ除去技術を展示
今回、DSEI Japan2025の運営側は、今まで出展実績のない会社が出展しやすいよう、ブース設備を準備したニューカスタマーゾーンを設けました。アストロスケールはそのニューカスタマーゾーンで出展していました。
DSEI Japan2025のニューカスタマーゾーン(筆者撮影、以下同)
