自民党の新総裁となった高市早苗氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
マーガレット・サッチャーが「憧れの人」
[ロンドン発]小泉進次郎農水相(44)優勢の前評判を覆し、高市早苗前経済安保相(64)が初の女性自民党総裁に選ばれた。10月中旬の臨時国会で新首相に指名されれば日本初の女性首相になる。直接会った英国初の女性首相マーガレット・サッチャーが高市氏の「憧れの人」だ。
高市氏は「日本のサッチャー」になるのか、英国史上最短命の首相に終わったリズ・トラス氏の二の舞いを演じるのか。それともネオファシストを源流に持つイタリアのジョルジャ・メローニ首相なのか、フランスの強硬右派「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏か――。
アメリカのレーガン大統領と談笑するイギリスのサッチャー首相=1981年7月(写真:AP/アフロ)
最大の試金石は高市氏がどんな財政政策をとるかだ。「経済政策では成長を重視するが、課題もある。高市氏は『責任ある積極財政』を掲げ、歳出拡大を志向する。債務をむやみに膨らませると物価高や円安が進み、国債の信認を悪化させる懸念がある」(日経社説10月4日付)
当面は物価高対策。与野党が合意済みのガソリン税旧暫定税率廃止に加え、中低所得者を支援する給付付き税額控除の党内論議を進め、消費税減税も選択肢に残す。30年物日本国債利回りは3.14%。財源のない無責任財政は“トラス型ショック”の引き金になる恐れもある。
