記者会見で退陣の意向を表明する石破首相=7日、首相官邸(写真:共同通信社)
(市ノ瀬 雅人:政治ジャーナリスト)
石破氏が首相となった意義とは
石破茂首相(自民党総裁)は7日夜に記者会見を開き、退陣の意向を表明した。
党派閥による未曽有の政治資金乱脈事件の直撃を受けた自民党が、再生への切り札として政権運営を託してから約1年。抜群の知名度や、旧来の枠に縛られない党・政権運営など斬新さを旗印とする石破カラーの発揮は、道半ばに終わった。衆参両院での少数与党という隘路に阻まれてしまった。
しかし、石破首相は派閥を基調とした権勢や、資金力といった旧来的力学に依拠しないタイプの指導者である。こうした政治家が、戦後日本の国家運営をほぼ一手に背負ってきた議会第一党の指導者に就いた意義は、決して小さくない。
石破首相とは、いったいどんな首相だったのか。退陣を前に、その異色さや特徴を振り返ってみたい。
