売れ残りで値崩れしたビヨンセのチケット
星条旗を掲げて歌うビヨンセ(筆者撮影)
ビヨンセのファンは、3人の子どもがいるビヨンセと同じ子育て真っ最中の母親世代が中心。筆者の前の黒人女性のスマホ画面の壁紙は子どもの写真だった。同じViagogoでピッチ上正面の立ち見席2枚が値引き販売され、337ポンド(6万6000円)で買えた。
08年のアイ・アム・ツアー、23年のルネッサンス・ツアーのロンドン公演も観た(筆者もロンドンでアイ・アム・ツアーは観た)という女性2人連れが事前に買った正規のチケット価格は2枚で449ポンド(8万8000円)。「あなたが買った値段は言わないで。最高の体験を手に入れたかったから悔いはない」と笑った。
ロンドンでの6回の公演でチケットはいずれも売れ残り、生活困窮者への食糧支援を行う慈善団体のフードバンクを通じて貧困家庭に無料で配布された。社会現象にまでなったテイラーのコンサートとはえらい差がついてしまった。
これがブランディングとマーケティングの差なのか。英大衆紙デーリー・メール(6月11日付)は「ビヨンセの『中年ファン』問題」と題して「カウボーイ・カーターがスタジアムを満員にできなかった理由についてブランディングの専門家が残酷な宣告」と報じている。