8月15日、米アラスカ州アンカレジのエルメンドルフ・リチャードソン米軍基地で握手するロシアのプーチン大統領(左)とトランプ大統領(写真:ロイター=共同)

「プーチン大統領、民間人の殺害はおやめになりますか」

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[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領は8月15日、米アラスカ州アンカレッジのエルメンドルフ・リチャードソン統合基地にレッドカーペットを敷いてロシアのウラジーミル・プーチン大統領を迎えたが、ウクライナ戦争の和平合意には至らなかった。

 国際刑事裁判所(ICC)は23年、ウクライナの児童をロシアに強制移送した戦争犯罪でプーチンに逮捕状を出した。しかしトランプ氏はパレスチナ自治区における国際法違反でイスラエルを訴追しようとするICCへの制裁を承認しており、プーチンへの逮捕状を棚上げにした。

 アラスカ州は1867年、クリミア戦争後、財政難に陥ったロシアが資金調達のため米国に売却した。ロシア民族主義者は祖国に返還されるべきだと信じているが、クレムリンは米露が共有する歴史にふさわしい舞台と歓迎してみせた。

 プーチンは2015年9月の国連総会(ニューヨーク)に出席して以来10年ぶりに米国に足跡を残した。それ以外の米国訪問は07年、ジョージ・W・ブッシュ米大統領(当時)がプーチンをメイン州ケネバンクポートの別荘に招いたのが最後だ。