写真:aijiro/Shutterstock
目次

(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 ひとりの近所迷惑男が7月、住んでいる家から行政によって追い出されたというニュースがあった。

住宅街で“暴言に騒音”強制執行で8年間の迷惑行為に終止符 近隣住民は安堵「安心して暮らしていければそれだけで満足」(2025年7月24日、MBS NEWS)

 この男は年齢職業不詳だが、早朝から軍歌を大音量で流し、空吹かしのエンジン音を響かせ、暴言をわめき散らして、近隣住民たちを悩ましつづけていた男である。

 あれ? この事件は前に見たことがあるアレの続きではないのか、と思って調べてみたら、やっぱりそうだった。

 この男(推定50代)は大阪の茨木市で、なんと8年間にわたって、近所の住民に暴言や騒音などの迷惑行為を繰り返してきた札付きだったのである。

 じつに隣人ガチャの最悪の典型みたいな男である。

 近所迷惑というと、言葉は軽いが、住民にとっては物価の高騰や重い税負担以前に、悩ましい問題だ。

 なにしろ安心平穏があたりまえの日常の暮らしが、毎日脅かされるのである。

2月に流れたニュース映像で男は

 わたしが今年2月に見たニュースでは、次のような動画が流されていた(「クソババア、はよ死ねよ。ひとりごとや」住宅街で8年続く男性による暴言・騒音に住民「怒りしかない」  なぜ“迷惑行為”をやめない?本人を直撃取材、MBSニュース、2025/02/11)。

「でてこいや、文句があったらでてこいや!」

 路上で、こう怒鳴る男が映し出される。