李在明大統領(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
米国から25%の相互関税賦課通知を受けた韓国が、日米の交渉結果を見て、警戒と憂慮の中で動揺している。
日本は5500億ドルもの対米投資とともに、コメ市場と自動車市場の非関税障壁を大幅に緩和する代わりに、相互関税を25%から15%に下げることに成功した。
日本に次ぎ対米輸出黒字国2位の韓国は、この結果を見て、「われわれも日本と似たような譲歩をしなければならないのか」という不安が広がっている。
特に米国が強く主張している米国産牛肉の輸入拡大は、かつて米国産牛肉の「狂牛病騒動」を扇動して李明博・保守政権を大いに揺さぶった共に民主党にとっては「自己否定」に近い決断となることから、かなり困惑している。
避けられそうにない「米国産牛肉の輸入拡大」
各国との関税交渉で米国が要求している事案の中には、「非関税障壁」の緩和がある。非関税障壁とは関税以外の方法で貿易を制限する政策で、具体的には輸入数量を制限する輸入クォータ制をはじめ、技術基準、衛生規制、複雑な行政手続きなどが該当する。日本の関税交渉チームが受け入れた米国産コメに対する輸入クォータ制の拡大、輸入自動車に対する日本の安全基準を撤廃するなどの措置が非関税障壁の緩和に当たるだろう。
韓国も日本と同様に、非関税障壁の緩和を要求されている。オンラインプラットフォームなどデジタル産業に対する規制緩和と、コメやリンゴなど農産物市場の開放、米国産牛肉に対する輸入規制緩和などだ。
このうち、農業・畜産分野に対する非関税障壁の緩和は、競争力を備えていない韓国の農家に大きな打撃を与える可能性が高いため、当初、韓国政府はコメと牛肉は交渉カードから除外する方針を固めていた。その代わりとして、バイオエタノール用のトウモロコシなど非食糧用作物の輸入拡大、衛生検疫条件の緩和などを交渉カードとして検討した。
だが、米国と関税交渉を先に終えた英国と日本、インドネシア、ベトナムなどが一定水準の農畜産物市場開放を甘受したことで韓国政府内の空気も変わり始めた。世界最大の牛肉生産国である豪州が米国産牛肉の輸入を決定し、日本がコメ市場を追加開放することにしたことで、韓国政府もこれ以上持ちこたえられなくなってしまった。


