トランプ関税は価格転嫁の絶好の機会

羽生田:基本的には被るべきではないと思います。高関税を課されている今の状況ほど、米国内の消費者やディーラーに価格転嫁の説明ができる絶好の機会は他にありません。

 トランプ氏は「関税を上げても国内のインフレにならない」とアピールしていますが、企業が関税コストを吸収する今のままだと、トランプ氏の思う壺(ツボ)です。

──昨秋の大統領選当選以降、トランプ政権に対する日本企業の備えはできていたのでしょうか。

羽生田:私たち専門家も、ここまで関税をめちゃくちゃにされるとは予想していませんでした。中には法的整合性のない措置もあり、米国内の裁判で違法とされるものさえあります。

「さすがここまではしないだろう」という想定がどんどん現実になり、企業も様子見している場合ではなく、現実に対応せざるを得ません。

G7サミットに参加したトランプ大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

──具体的にどのような対応をしていくのですか。