大ヒットになった照明一体型プロジェクター「popIn Aladdin」
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 1200万ダウンロードという実績で社会現象となった「スイカゲーム」、そして25万台を売り上げた世界初の照明一体型プロジェクター「popIn Aladdin(ポップインアラジン)」。その生みの親である起業家・程涛氏は、革新的なアイデアで次々とヒット商品を世に送り出してきた人物として知られている。

 もっとも、実際には資金も人脈もない状態で起業し、最初の2年間は売り上げゼロという苦境を経験している。そこからどのようにV字回復を果たしたのか。程氏の著書『道具としてのアイデア』を紐解いてみよう。3回目は、発想力を磨く5つのステップについて。

※この記事は『道具としてのアイデア』(日経BP)より一部抜粋・編集しました。

 現代は、知識や情報がインターネットで簡単に手に入り、AIが思考を強力にサポートする時代です。そのため、独創的な発想の価値がこれまで以上に高まっています。

 しかし、いざゼロから考え、自分たちなりの「イチ」を生み出そうとすると、多くの人が発想力の壁にぶつかります。私も例外ではありません。いくつか独自性のあるプロダクトを世の中に送り出すことができましたが、たくさんの失敗もありました。

 こうした経験を踏まえ、「独創的な発想」が出るとき、出ないときのパターンとして、次の結論にたどり着きました。

失敗パターン:過去の成功事例、マーケット調査の平均値、流行など「外側」が起点
成功パターン:個人的な体験、感情、違和感など「内側」が起点

 なぜ 「外側」が失敗するかと言うと、外側を起点に生まれる発想はどれも似たり寄ったり、心から納得できないものになりがちで、動き出しても行動にブレーキがかかりやすいからです。独創的な発想は、個人的な体験、感情、違和感から出発し、深く掘り下げることで見つかるものなのです。

 発想力には、以下の5つのステップがあります。

0.個人的な体験から発想の種を探す
1.体験に基づく「N1ニーズ」を見つける
2.深掘りで具体化のヒントを発掘する
3.自分が心から納得できるかを問う
4.第一歩を踏み出し、具現化を始める

 このステップを踏むことで、「実現せずにいられない」強力な発想を生み出すことができるようになります。