オニツカタイガーグローバルカンパニー長の庄田良二氏(撮影:内海裕之)
ラグジュアリーライフスタイルブランドとして独自の世界観を持つオニツカタイガー。スポーツ用品大手のアシックスの中で唯一、独立採算の社内カンパニーとして運営し、ファッションに特化したアプローチを取る。業績は直近5年で事業売上高が3倍以上に伸長し、2025年12月期も売上高で1280億円、営業利益480億円と高収益を見込む。その驚異の成長力はどこにあり、今後はどんな高みを目指すのか。オニツカタイガーカンパニー長(アシックス副社長執行役員)の庄田良二氏に話を聞いた。
長いブランド休止期間を経て「復刻」を果たす
──オニツカタイガーはかつて、競技用シューズとして一時代を築いたスポーツブランドでした。
庄田良二氏(以下敬称略) 1949年に創業者の鬼塚喜八郎が会社を興し、3社合併によって77年にアシックスが設立されるまでの期間を、オニツカタイガーの「第1世代」と呼んでいます。アシックスの誕生と同時に、オニツカタイガーというブランドは休止となりました。
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2002年、当時アシックスヨーロッパB.V.代表取締役社長の尾山基(現シニアアドバイザー)が中心となってブランド復刻をしたと聞いています。
そして、2002年から現在までを、われわれはオニツカタイガーの「第2世代」と位置付けています。復刻後はヨーロッパを中心にブランドの人気が再び高まりましたが、鬼塚喜八郎が亡くなった07年以降、ブランドは再び岐路に立つことになりました。
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その後、オニツカタイガーはファッションブランドとしてどうあるべきか、再構築していくフェーズに入りました。当時のアシックスにはスポーツブランドに関する知見は豊富でも、ファッションの知見は乏しかった。そこでラグジュアリーファッション経験者の私に声がかかり、2011年に入社することとなったわけです。

──入社後は具体的にはどのような変革に着手したのですか。






