
ウクライナとロシアとの間で停戦は実現するのか。米国のトランプ政権誕生で一時は停戦への期待が生まれたものの、その機運はしぼんでいる。現地では戦闘が続いており、ロシア軍はウクライナ北東部のスムイ州でも攻勢をかけている。今回の連載記事では、ミサイルの攻撃を受け、死者や負傷者が出ている同州のスムイ市中心部や、家屋や道路などが破壊され、電気などのインフラが止まった同市の郊外の様子を、写真とともにお伝えする。
(小峯 弘四郎:カメラマン )
朝のラッシュをミサイルが直撃
2025年6月初め、ロシア軍はスムイ市中心部へミサイル攻撃を行った。ちょうど朝のラッシュ時で、多くの人が行き交う道路の車両にミサイルが直撃。3人が死亡し、16人が負傷する惨事となった。
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市中心部の広場には、今年になってからスムイ出身の戦死した兵士たちのパネルが飾られるようになった。2024年8月のクルスク侵攻以降、スムイへの攻撃が格段に増え、民間人にも多くの被害が出ている。

