電気の通っていない国境近くへ支援物資を
2025年6月初旬、ロシア軍が再度、スムイ州へ侵攻してきていた。そんな状況の中で、国境エリアに届けるための物資をまとめているのがボランティアのアンナさんだ。彼女の夫は、2024年6月に戦死している。

スムイ州の国境近くは、ロシア軍の攻撃が激しく、電気などインフラが破壊されたままの地域も多い。そのため支援物資の中には、ろうそくなども入っている。

国境に近づくほど戦禍は深刻に
スムイ市内北部にあるホティン村を訪れた。ここは、ロシアとの国境から10km程度の場所にある。
この村も多くの被害を受けており、さらに国境に近づくと、ほとんどの家屋が被害を受けているような村もあるのだという。私が取材で訪れたときには、すでに「危険区域」として、一般人の立ち入りが禁止されていた。

ホティン村の住民の車の中には、ミサイル攻撃の被害に遭ったときのために、メディカルキットが用意されていた。

村を訪れてみると、スムイ市内に避難する人々の荷物などが、まとめて路上に置かれていた。ロシア軍の反撃が続くなか、何とかこれまで村に残っていた人々も、いよいよ避難をせざるを得なくなったようだ。

取材の最中、ホティン村からスムイ市内に住む家族のところに避難するために、車を待っている女性に出会った。



私は昨年8月にもホティン村を訪れている。今回訪れて驚いたのは、昨夏にはなかったような、ドローン対策のネットが道路沿いに設置されていたことだ。


