資産取り崩し期の運用は、収益率配列リスク(収益率の順序リスク)に注意
資産の取り崩しには、毎月一定額ずつ取り崩す「定額取り崩し」と、毎月取り崩し資産の割合を決める「定率取り崩し」があります。
定額取り崩しは、毎年または毎月、一定金額を取り崩していくのでわかりやすく、生活費の目途が立てやすいのがメリット。一方で、資産の減りが早いのがデメリットです。
定率取り崩しは、定額取り崩しよりも資産が長持ちするのがメリット。一方で、取り崩せる金額が毎回変わる点や、取り崩す金額が年々減っていくというデメリットがあります。
<資産の取り崩しの比較>
運用しながら取り崩す際には、注意しておきたいことがあります。
それは、運用の結果が必ずしも一定とは限らないことです。資産形成のときには、ほとんど気にしなくてよかったリスクが、資産取り崩し期には存在します。
「年◯%で運用できた場合のシミュレーション」をよく見かけると思いますが、実際は「毎年◯%で運用できる」という保証はありません。運用成果を年単位で見れば、大きく値上がりする年もあれば、少ししか値上がりしない年もあるでしょう。値下がりする年もあるはずです。
さらに、毎年の収益率がどんな順番でやってくるかによって、資産残高が大きく変わってしまいます。これを「収益率配列リスク(収益率の順序リスク)」と言います。