大谷翔平選手は二刀流に復帰した(写真は6月22日対ワシントン・ナショナルズ戦で、写真:Imagn/ロイター/アフロ)

控訴裁は判事全員29人で再審理か

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 米カリフォルニア州の連邦控訴裁は6月19日、州兵が引き続き治安維持に当たることを認めた。

 これは、ドナルド・トランプ大統領がデモ鎮圧のためロサンゼルス市に州兵を派遣したのは違法として同州が起こした裁判で、州兵の指揮権を知事に返還するよう命じた地裁判断を差し止めていた期間を延長したもの。

 控訴裁の判事3人のうち2人はトランプ氏が1期目に、残る1人(中国系女性)はジョー・バイデン前大統領が任命した。

保守派が優勢な3判事の控訴裁」による判断だった。

 判決は、抗議デモでロサンゼルス市の「移民・関税捜査局」(ICE)支部の職員や建物に物を投げつける行為があったことなどを指摘し、「連邦政府の職員と財産の保護」のために州兵を派遣したという政権の主張を認めた格好だ。

 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、控訴裁全判事(29人)による再審理を求めるか、一気に最高裁に上訴するかを検討しているといわれる。

 第9巡回控訴裁には29人の判事がおり、そのうち16人は民主党大統領、13人が共和党大統領によって指名されている。多数決なら19日の判断が覆される可能性は十分ある。

United States Court of Appeals for the Ninth Circuit - Wikipedia

Appeals Court Lets Trump Keep Control of California National Guard in L.A. - The New York Times

リトルトーキョーはラティーノへ連帯表示

 法廷闘争を横目に、ロサンゼルス市はその後、大規模なデモもなく暴徒化も起きていない。

 6月21日、ダウンタウンの連邦政府ビル街から数ブロック先にある日本人町、リトルトーキョーを見て回って気づいたのは、破壊行為から逃れようとする自衛対策だった。

 レストラン、お土産店などすべての店舗が店先にベニヤ板を重ね合わせたプライウッドで防備、「Little Tokyo is Community of Immigrants」と書かれたポスターを張って移民との「連帯」を訴えていた。

 中にはスペイン語で「私たちはメキシコ人のアミーゴ(友達)」と書いてある店もあった。もっとも、プライウッドの上に「Fuck ICE」とか「Go to Hell, Trump」とスプレーで書かれた店がいくつもあった。

 この地域はロサンゼルスでは人気スポットだけに、昼は多くの若者たち(日系人ではなくほとんどが非日本人)でにぎわっていた。

 連邦政府の建物周辺もデモらしき動きはなく、控訴裁が「ICE職員や建物が危険にさらされている状況」と断じたのとは程遠い感じだった。

 地元警察の警備で十分なように思えた(今後どのような動きが出るかは想定できないが・・・)。