過去の作品を新たな解釈で蘇らせることは非常に創造的な営みなのです。「温故知新」と言ってもいい。

 その意味で、IS:SUEのJ-POPカバーは非常にクリエイティブな試みです。このグループはJ-POPの良き伝統を引き継ぎながら、K-POP流のアイデアを織り交ぜ、素晴らしい音楽を生み出している。つまり、日韓のポップスそのものを更新しようとしているのです。出自がトランスナショナルな存在だからこそ、しがらみのない自由な活動ができるのでしょう。

迫力のあるダンスを見せるYUUKI(筆者撮影)

 ちなみに、KCONではBLACKPINKの「Pink Venom」(2022年)のカバーだけでなく、新曲の「SHINING」、デビュー曲の「CONNECT」を韓国語バージョンで披露していました。言葉の壁を軽々と越える姿は圧巻でした。

 K-POPの祭典であるKCONで、図らずも、トランスナショナルな存在であるIS:SUEの魅力に引きつけられました。彼女たちがこれから奏でる音楽に引き続き注目していきたいと思います。

IS:SUEのメンバー。左からNANO、YUUKI、RINO(筆者撮影)