「皇室=お堅い」というイメージを覆した彬子さまの“タレント性”
番組冒頭、「ごきげんよう、彬子女王です」と優雅に挨拶された彬子さまは、「あまり使い慣れない言葉を使うよりは“ごきげんよう”の方が私らしいかなと思いまして、今回は“ごきげんよう”で進めさせていただきたい」と語られ、皇族としての品位と親しみやすさを同時に感じさせた。
また、「女王」という呼称についても、自ら女王と言うことでリスナーにごう慢な印象を与えかねないと感じられたのか、女王は身位(皇室での立場・地位)を示すもので敬称ではないことを丁寧に解説された。
その流れから、イギリスの大英博物館でレクチャーを受けた際、受付で「彬子女王」という名前を「AKIKO JOE」と勘違いされ、「でしたらPRINCESS AKIKOにしていただけますか」と頼んだというエピソードには、思わず笑ってしまった。
お話しもとても上手く、しかも、その言葉のひとつひとつには、皇族としての品格と親しみやすさが同居していたように感じる。
加えて、番組ではゲストとして出演された落語家・立川志の八さん、歌舞伎俳優・中村勘九郎さんとの軽妙なやり取りにもつい引き込まれてしまった。長年にわたり親交を重ねてこられたという、お二人との会話は、格式ばらず、和やかでユーモアに富み、番組に一層の温かみを添えていた。伝統芸能の継承や舞台裏の苦労などにも言及しつつ、それぞれの分野へのリスペクトがにじむ内容となった。
はじめこそ緊張の様子もうかがえたが、番組が進むにつれ、彬子さまの軽妙洒脱な語り口が全開となり、多くのリスナーが抱く「皇室=お堅い」というイメージは良い意味で覆されたことだろう。実際、放送後には「#彬子女王のANNP」がSNSでトレンド入りし、大きな反響を呼んだ。
語弊を恐れずに言えば、彬子さまはその知性と気さくさを兼ね備えた“タレント性”をお持ちであり、今回の出演にはそうした魅力への期待も込められていたはずだ。