「簡単じゃない」「学習能力が高い」期待される角田裕毅の今後

 世界のF1人気の流れに乗り、日本でも高まるF1人気。最後に、鈴鹿GPからレッドブルに昇格して以降、まだ大きな結果を残せていない角田選手について小倉氏に聞いた。

「トップチームに移ったらすぐに結果を出せる、という意見もありましたが、私自身はもう少し冷静に見ていました。そう簡単じゃないぞと。

 鈴鹿からの3戦を見ると、予選は着実にステップアップしています。角田選手は学習能力の高さを示しているし、チームの期待にも応えていると思います。ですが、決勝の結果についてはもう少し長い目で見てあげたほうがいいと思っています。5月半ばから始まるヨーロッパラウンドが本格的な戦いになるのではないでしょうか」

 ファンをヤキモキさせるのもまた、角田裕毅の魅力ではあるが、どうしたって期待は高まる。今年はホンダがF1初優勝(1965年メキシコグランプリ)を飾ってから60年。アニバーサリーイヤーに吉報を待ちたい。

F1日本グランプリ決勝のレースを終え、手を振るレッドブルの角田裕毅(鈴鹿サーキット、写真:共同通信社)

【小倉茂徳(おぐら・しげのり)】
モータースポーツジャーナリスト・解説者。鈴鹿サーキットと同じ1962年生まれ。1987-88年ホンダのF1チームの広報スタッフとしてF1を転戦。以後、現職に。子供向けにレーシングカーの仕組みと面白さを伝えながらSTEM教育への入り口となるレクチャーも行っている。2016年からは、スポーツのネット配信DAZNのF1解説も担当。