
連日、気温が25度を超え、季節は初夏を迎えている。今年のGW(ゴールデンウイーク)は飛び石連休のため、遠出は計画してしない人もいるだろう。そんな人は日頃の運動不足解消と家族サービスを兼ねて近郊の山にハイキングはいかがか。山歩きの著書もあるジャーナリストの山田稔氏が、駅から近い人気の低山5座を紹介する。
新宿から1時間で登山口、外国人にも大人気「高尾山」の楽しみ方
新宿駅から京王線特急に乗ると約1時間で高尾山口駅に到着する。登山口となるケーブルカー、リフトの駅(清滝駅・山麓駅)までは歩いて10分ほどだ。

ここから標高599mの山頂まではいくつかのルートがある。ケーブルカー、リフトを利用するコース、そのまま歩いててっぺんを目指す1号路、6号路、稲荷山コースと多彩だ。体力、気力に応じたコースを選択すればいい。

筆者が好んで利用していたのは、ハイキング気分を堪能できる約3.1kmの稲荷山コース。山頂まで1時間30分ほど(個人差あり)だが、今年になって3月20日から稲荷山コースは危険木処理作業のため通行止めとなっている。6号路は終日登り一方通行なので注意したい。
4月19日の土曜日、久しぶりに高尾山を目指した。朝6時半のバスで京王線の駅に向かい、高尾山口駅に向かう。電車の中は朝帰りの若者に交じって登山姿のシニアの姿も目立つ。週末の早朝らしい光景だ。
7時43分に高尾山口駅に到着し、ケーブルカーの清滝駅に向かう。8時ちょうどの始発に乗り込む。ハイキング客で満席、立っている人もいる。車窓から目に飛び込んでくるモミジの新緑が清々しい。ケーブルカーは日本一の急勾配31度18分を登り、山腹にある高尾山駅(標高472m)に到着した。
ここからは1号路を進み、浄心門を右に入り4号路(全長1.5km)を行く。高尾山の北斜面を歩く道でブナやイヌブナの林が続くコースだ。まだ8時台なので行き交うハイカーは少なく、静謐な雰囲気の中でマイペースの山歩きを楽しむことができる。

やがてこのコースの名物である吊り橋・みやま橋があらわれる。長さは30mほどか。しっかりとした造りなので揺れは少ない。周囲の景色を楽しみながら橋を渡るときは童心に返った気分になる。

緩い登り道を進んでいくと「いろはの森コース」との分岐点に差し掛かる。テーブルやベンチが設置され、格好の休憩スポットだ。ペットボトルに詰めてきたローズティーを飲み、チョコをかじる。糖分を補給して先に進もう。イヌブナやブナの鮮やかな新緑に目を奪われ、野鳥のさえずりに口笛で応える。楽しいひとときだ。
ほどなく山頂直下のトイレ脇に通じる道に出て4号路の散策は終了。舗装された道を5分も進めば山頂だ。
