ファーウェイ、中国スマホ市場で4年ぶり首位 アップル3位転落

 香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、2024年10~12月の中国スマホ市場においてファーウェイの販売台数が約4年ぶりに首位に浮上した。ファーウェイは2020年まで首位だったが、米政府による重要部品の輸出規制を受け、下位に後退していた。

 ファーウェイは2019年に米政府の技術輸出規制の対象になり、半導体など重要部品の調達制約を受けた。これにより、スマホの生産が減少したほか、低価格スマホ事業の売却を余儀なくされた。その後、部品や基本ソフト(OS)の独自開発を進め、2023年8月に7ナノメートル(nm)技術で製造された半導体を採用したスマホを市場投入した。同社はそれ以降、中国市場で徐々にシェアを伸ばしてきた。

 2024年10~12月におけるファーウェイ製端末の販売台数は前年同期から15.5%増加した。これに対しアップルは18.2%減少し、順位は3位に後退した。

生成AI「Apple Intelligence」の展開に腐心

 中国のスマホメーカーは、画像編集ツールや即時言語翻訳などのAI機能を既に展開している。しかし、中国では国外の生成AIが禁止されており、アップルは生成AIサービス「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」を展開できていない。同サービスの機能の1つである米オープンAIのチャットボット(対話型AI)「ChatGPT」も同国で利用が禁止されている。

 そこでアップルは中国ネット通販最大手のアリババ集団や中国ネット検索最大手の百度(バイドゥ)と連携することにした。これより、2025年後半にも中国でAI機能の承認を得たい考えだ。

 中国は、アップルにとって非常に重要な市場であり、今後の成長戦略において同国での成功は不可欠である。今後の展開に注目が集まっている。

 アップルのCEO(最高経営責任者)であるティム・クック氏は先の決算説明会で、「iPhone 16でApple Intelligenceが利用できる市場では、同サービスが利用できない市場に比べて(業績が)好調だった」と述べていた。