声をあげたい人にできることは?

――片木さんはドラッグ・ラグ解消の運動などで、ロビイングをずいぶん経験されたことから、X(旧Twitter)に個人でもできることを紹介されましたね。具体的でわかりやすかったです。

片木 現在、全がん連とJPAが見直し方針の凍結を求めてロビイングをされていますが、ぜひ全がん連に所属していない患者会も、個人も声をあげてほしい、行動してほしいと思います。そうしなければ、私たちは〈存在しない〉ことになるからです。

 Xに投稿してから、たくさんの方から「地元の議員さんに手紙を送りました」「コンビニからファクスを送ってみました」という連絡をいただいています。また、衆議院予算委員会開催中に議員会館を訪問した時、秘書さんから患者さんが実情を訴えるものや、議員が質問を行ったことへのお礼などがSNSや問い合わせフォームを通じてたくさん届いていると聞きました。こうした一人ひとりの声も政治家の皆さんに「この人たちを守らなければ」と認識してもらうことにつながります。まさに今、政治に関わらなければ何も変えることはできません。

片木さんのX投稿より抜粋
1)今回の件で議員さんにファクスやメール、問い合わせフォームから声を届けた方は、その議員さんにお礼と、引き続きより良い制度になるようお力添えをお願いしてください。
2)SNSで「この議員さんは私たちの味方だった」と思う議員さんがいたら、コメントや引用の形でひとことお礼を伝えてもらうのも良いかと思います。例えば「私は卵巣がん患者です。高額療養費の問題では私たちの命を守る投稿ありがとうございます」など。

 私は弱った人や困ってしまった人、あるいは未来が短くなってしまった人たちのために、できることはないかと考えながら患者会を続けてきました。がんや難病の患者さんはもちろんのこと、誰もが安心して必要な医療を受けられることは、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティネットです。《誰ひとり取り残さない》ために、現在の高額療養費制度の自己負担金額引き上げ方針は凍結し、患者や家族・遺族、現場にいる医療従事者などの当事者を交えた丁寧な議論をしていただきたいと思います。