闇バイトの募集にスポットワークを利用するなど悪質な疑いがあるケースも

 連合が行った『スポットワークに関する調査2025』によると、スポットワークで働いている際に仕事上の「トラブルを経験している(経験した)」と回答した人の比率は 46.8%に上ります。

 トラブルの内容として最も多かったのは、「仕事内容が求人情報と違った」で19.2%です。さらに、「業務に関して十分な指示や教育がなかった(17.7%)」、「一方的にスポットワークサービスの利用を停止・制限された(16.9%)」、「労働条件(賃金や労働時間等)が求人情報と違った(16.5%)」、「同じ職場の他の労働者と労働条件が違う(16.0%)」と続きます。

 上位の多くを占める労働条件に関する不備は、スポットワーク事業者が求人側に丁寧なヒアリングを行ったり、求人情報が公開される前に内容について詳細に確認したりすれば防ぎやすくはなります。

 しかし、それらの対応を強化するほど、スポットワークの強みである手軽さや即時性は損なわれてしまいます。対応策としては、AIなどのテクノロジーを用いて求人内容の確認スピードと正確性を同時に高めるといった方法が考えられます。すでに実際に導入している事業者もあるようです。

 とはいえ、テクノロジーが十分な水準に到達するまでには、まだ時間がかかるでしょう。それまでは求人情報チェックの人員を手厚く配備したり、事前チェック済みの求人か否か目印で判別できるようにするなど、今できる対策に最大限取り組むことが求められます。

 また、「欠員が出た場合の待機要員」などと書かれているだけで、実際に欠員が出たら従事する可能性のある業務内容については詳細が記載されていない求人が問題視されたり、中には闇バイトのような犯罪実行者の募集にスポットワークを利用するといった悪質な疑いがあるケースも見られます。