大規模金融緩和でお金持ちが増えた要因は?
次のグラフは「お金持ち」が時系列でどのくらい伸長してきたかを示しているが、2013年以降の伸びが著しいことがわかる。

大規模金融緩和によって「お金持ち」が増えた原因には次のような要因がある。
①株式市場の活況
大規模金融緩和によって大量に市場に供給されたマネーは株式市場を大いに潤している。2012年末で1万395円だった日経平均株価は、2023年末には3万3464円と3.22倍に膨らんでいる。
現状では3万9149円(25年2月14日時点)なのでさらに金融資産が膨らむ状態にある。金融資産に余裕のある人ほどリスク資産である株式で運用していることから、資産規模の拡大ペースに拍車がかかったことが容易に予想される。
また国が「貯蓄から投資へ」と推奨するNISAも株式市場に個人の金融資産を移転させる後押しをしているといえる。
今回の調査ではアッパーマス層の世帯数が前回調査の726万3000世帯から576万5000世帯に急減しているが、かなりの世帯が株高の恩恵を受けて準富裕層に格上げされたことも想像される。
②金などの現物取引
金などの現物で保有することが多いのも「お金持ち」の特徴だ。国内金小売価格は2012年12月時点ではグラム当たり4700円台であったものが6000円前後、現状では1万5800円台に急騰している(三菱マテリアル国内小売価格)。