オープンAIのモデルは本質的にブラックボックス
英科学雑誌ネイチャー(1月23日付)は「中国の安価でオープンなAIモデルDeepSeekが科学者を興奮させている。DeepSeek-R1はオープンAIの『o1』と同等の推論タスクを実行する。しかも研究者が検証できるようオープンになっている」と解説している。
それによると、DeepSeek-R1の初期テストでは化学、数学、コーディングの特定タスクにおける性能は、昨年9月に研究者たちを驚嘆させたオープンAI o1と同等であることが示された。英国のAI研究者は「驚くべきことで、全く予想外だ」と驚愕している。
「DeepSeekのオープン性は注目に値する。それに比べてOpenAI o1やo3を含むその他のモデルは本質的にブラックボックス」「o1では300ポンド(約5万8000円)以上かかった実験がR1では10ドル(約1560円)以下。劇的な違いだ」との衝撃を同誌は伝えている。
トランプ政権に衝撃を与えているのは、AIのトレーニング用に設計された高性能チップへのアクセスが輸出規制により厳しく制限されているにもかかわらず、DeepSeekがR1の開発に成功したことだ。計算能力の制約が逆にアルゴリズムのブレイクスルーを引き起こした。