収益事業として認められないとどうなるのか?
収益事業として認められるかどうかは、実は極めて重大な問題だ。なぜならば、法人税率とみなし寄付に関わる点だからだ。
学校法人の収益事業については、その利益の半分を寄付金として損金に参入できる。いわゆるみなし寄付である。裏を返すと、残りの半分に法人税がかかるわけだが、この分にかかる法人税は一般的な法人にかかる法人税よりも低い19%だ。
つまり、山野ホールの貸出が私立学校法の収益事業として認められなければ、非課税分及び一般的な法人税と優遇措置である19%の差額について、適切な税金を払っていないという解釈が成立し得る。
今回は山野ホールの事例だが、同様の事例は他にもあるのではないだろうか。
また、文部科学省は私立大学の経営改善の一環として、大学が保有する不動産などの活用を促している。山野学苑がマイタワーで賃貸住宅事業を営んでいるように、敷地の一部に収益物件の建設を考える学校法人は少なくない。
こうした収益事業が学校経営の安定に資するだろうが、やっていることは民間の賃貸ビジネスと同じである。果たして税制上の優遇措置を得るべき事業なのか、国は改めて考えるべきではないだろうか。
なお、上記の疑問点について山野学苑に質問を送ったが、期日までに回答はなかった。