中国勢、世界スマホ出荷の56%占める

 IDCによると、中国のスマホメーカーは合計で、10~12月期として過去最高の出荷台数を達成し、この期間の世界スマホ出荷台数の56%を占めた。

 IDCが注目している中国ブランドとは、上述したシャオミやトランシオン、ビボ、オッポのほかに、HONOR(オナー)、華為技術(ファーウェイ)、聯想集団(レノボ)、realme(リアルミー)、TCL科技集団、中興通訊(ZTE)などがある。

 これらのブランドは、低・中価格帯端末の好調な販売に後押しされ、欧州とアフリカ地域で急速に事業を拡大している。とりわけ、ファーウェイは出荷台数のほとんどが高価格帯セグメントであり、「この分野で独自の地位を築いている」(IDC)という。

世界スマホ市場、「2024年は力強い回復示した」

 一方、2024年10~12月期の世界スマホ市場出荷台数は、前年同期比2.4%増の3億3170万台だった。プラス成長は6四半期連続で、年間ベースでは6.4%増の約12億4000万台になった。

 世界のスマホ市場は2022年と2023年、2年連続でマイナス成長だった。特に2023年は前年比3.2%減の11億7000万台にとどまり、過去10年で最低の台数を記録していた。

 これに対し、2024年は力強い回復を示した。2025年も市場は成長を続けると予想されるものの、買い替えサイクルの長期化や、ペントアップ需要の落ち着きが見られ、成長ペースは鈍化するとIDCは予測する。

 IDCシニアリサーチディレクター、ナビラ・ポパル氏は「2025年も成長が続くと楽観視しているが、米新政権による新たな関税引き上げの脅威によって業界全体の不確実性が高まり、一部の企業はリスクを軽減するための予防策を模索している」と述べた。