アップル、10~12月の伸び17.3%

 2024年10~12月のメーカー別出荷台数の順位は通年と同じく、レノボ、HP、デル、アップル、エイサーの順。このうち首位のレノボは前年同期比4.8%増だった。HPとデルは、それぞれ、1.7%、0.2%減少した。これに対し、アップルの伸び率は17.3%で、上位5社の中で最も高かった。次に伸びが高かったのはエイサーで、11.7%だった。

 IDCによれば、米国の政権交代に伴う貿易政策の変更が、中国に生産を依存しているメーカーに大きな影響を及ぼしている。関税の引き上げがコスト増につながるため、メーカーは様々な対応策を検討している。2024年12月にはその1つである「出荷前倒し」の動きが、限定的ながらも見られた。

「パソコンのオンデバイスAIは避けられない流れ」

 一方、2025年はAI(人工知能)と高性能コンピューティング(HPC)が半導体市場をけん引するとみられており、パソコンへのAI機能の統合(AIパソコン、AI PC)も進む。

 しかし、IDCは「全体的なマクロ経済への懸念が、AIパソコンの進展や期待感に影を投げかける」としている。AIがもたらす変曲点の到来に遅れが生じる可能性もあるという。

「ただ、それでも、オンデバイスAIが(パソコン)業界に及ぼす影響はポジティブなものになるという見解は変わらない」と、IDCグループ・バイスプレジデントのライアン・リース氏は強調した。

 メーカーが顧客に高価なAIパソコンを購入してもらおうと積極的にアピールしている今は、予算に厳しい時期であり、顧客はその有用性を検証している段階でもある。しかし、パソコンにおけるオンデバイスAIは避けられない流れであるため、「供給側は忍耐強く待つ必要がある」(同)という。