キャリアを重ねた人の言動が時に「老害」とされることがある。一方で、「老害」の対義語とも言われる「メンター」(仕事、キャリア、ライフプランなどについて助言などをしてくれる、信頼のおける相談相手)として、指針とされるような人もいる。
実は、老害になる人の特徴には、「力強いリーダー」「頼りになる上司」「結果を残している人」の特徴と合致しているものも少なくない。
「老害」と言われてしまう人と、「メンター」と呼ばれるような人、これを別々にイメージすると、前者と後者は全く似ても似つかない別人格の人物を想像してしまうが、老害を引き起こす人とメンターとして尊敬される人は実は「同一人物」の場合もある。
カリスマ社長や政治家、教育者など、尊敬されるべき実績や経歴がある人ほど、「あれ? いつの間に……?」と、本人も周囲も気づかないうちに「ハードな老害」へと転じている事例に思い当たることがあるのではないか。老害とは何か、そしてメンターとは何か。『メンターになる人、老害になる人。』をひも解きながら見ていく【1回目】。(前田 康二郎:流創株式会社代表取締役)
※前田康二郎著『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)から抜粋、一部編集した。