トヨタもOSを独自開発

 筆者はホンダのエンジニアに、アシモOSの位置付けについて「インフォテインメントに関してはアンドロイドOSが残るのか」「その場合、プラットフォームとしての階層の違いなど、アシモOSとの関係性はどうなるのか」と聞いた。

 これに対してホンダ側は「アシモOSと(インフォテインメント対応の)アンドロイドOSは共存する」と答えたものの、2者の関係性については企業機密の領域であるとして詳しく触れなかった。

ホンダ・日産・三菱自動車が都内で2024年12月23日開催した経営統合に関する記者会見の様子。ビークルOSもホンダのアシモOSに今後、統合されるのだろうか?(写真:筆者撮影)

 また、「日産自動車もアシモOSを使うのか」という問いについても、日産とSDVに関する議論は行っていることはすでに公になっていることに触れるも、他社の事案であるとして、これについても詳しい説明を控えた。

 ビークルOSといえば、トヨタ自動車の出方も気になるところだ。

 トヨタのビークルOS「アリーン」については、2023年6月にトヨタ東富士研究所で開催された「トヨタ テクニカルワークショップ」の際、筆者は担当エンジニアらから詳しい説明を受けた。

 その後、トヨタの各種プレゼンテーションの中でアリーンは登場するのだが、他のビークルOSとの連携や共存などについて、トヨタから詳しい説明はない。

 SDVが大きな話題となる昨今、ビークルOSの今後の動向が大いに気になる。

桃田 健史(ももた・けんじ)
日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなどのレースにレーサーとしても参戦。ビジネス誌や自動車雑誌での執筆のほか、テレビでレース中継番組の解説なども務める。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?』『グーグル、アップルが自動車産業を乗っとる日』など。
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