「マグニフィセント・セブン」は下落するか?
しない。
ただし、大きく上昇することもないだろう。アルファベット、アマゾン・ドット・コム、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラの7社の株価上昇は米国民間セクターの活力、デジタル技術におけるシリコンバレーのリーダーシップ、そして人工知能(AI)関連銘柄に対する投資熱を反映している。
こうした状況は2025年も維持されるだろう。
次期政権は本質的に、テクノロジー産業主導の活力ある民間セクターが停滞している政界を乗っ取ったようなものだ。
だが、これには3つの大きな但し書きがあり、これ以上の株価上昇は制限される。
まず、設備投資が収益性を悪化させるかもしれない規模にまで膨らんでいる。
AI関連銘柄への投資意欲が非常に旺盛なため、どこかの時点で失望が広がることは不可避に見える。
そして、バリュエーションが目もくらむほど高いため、小型テクノロジー株などに乗り換える投資家もすでに出てきている。
たとえAIでも、長期的には金融の重力から逃れることはできない。
By Gillian Tett
中国からの輸出品の価格はさらに下がるか?
そうなるだろう。
中国が世界に輸出しているディスインフレの流れはさらに深さを増しそうだ。
中国企業の競争力、なかでも特にハイテク製品メーカーの競争力は、中国全体の輸出の価格(人民元建て)がさらに急落する公算が大きいことを意味している。
2024年10月に前年同月比で5.2%下落した中国の輸出物価指数は、2025年にはいずれかの月で最大10%の下落となる可能性もある。
そうなれば、中国企業と競争している企業にとっては大きなショックとなり、中国が米国の関税引き上げを相殺するのに貢献する。
そして、米国から締め出された安価な中国製品がほかの市場に洪水のように流れ込むリスクが増大するはずだ。
By James Kynge