債券市場は崩れるか?

 答えはノーだ。

 市場はきしむかもしれないが、崩壊はしない。

 投資家は債務水準がすでに高い時代にあって、借り入れに対するトランプの緩い姿勢と減税しようとする気持ちが米国債市場の「リズ・トラス・モーメント」(当時の英首相の「ミニ予算」発表を受け、英国債とポンドが急落した局面)に発展しかねない兆候に目を光らせている。

 関税と移民政策から生じそうなインフレ高進を考えると、それはあり得ない話ではない。

 だが、米国債に対する無秩序な信頼喪失は株式を含む米国市場にとってあまりに悲惨な事態になるため、カムバックを果たした米国大統領が投資家の神経を試すことはなさそうだ。

By Katie Martin

中国の二酸化炭素排出量は減るか?

 減らない。

 一部の専門家によると、世界最大の温室効果ガス排出国からの炭素排出量は2030年を期限とする誓約に先駆けてピークを迎えたかもしれないが、難しい部分はそこから排出量を減らすことだ。

 世界に類を見ない太陽光パネルと電気自動車(EV)の普及と、環境汚染の激しい鉄鋼とセメントの減少を意味した建設業界の不振のおかげで、中国の2024年の炭素排出レベルは前年比横ばいか微増になったと見られている。

 だが、習近平国家主席による2025年の景気刺激策は恐らく、エネルギー需要を回復させることによって太陽光、EV、バッテリーの大々的な推進策を相殺することになりそうだ。

By Emiliya Mychasuk