マスク氏とトランプ氏は仲違いするか?

 しない。

 トランプ氏が自分のエゴと衝突するエゴに寛容でないことはよく知られているものの、マスク氏にとってトランプ氏のお気に入りでいることの利益はあまりに大きく、あきらめることなどできない。

 トランプ氏が大統領に正式就任する前ですら、規制緩和がテスラ、スペースX、ニューラリンクなど傘下の企業の業績を押し上げるとの期待から、マスク氏の純資産は3分の2以上増えた。

 マスク氏は少なくとも2026年7月4日まで、すなわちビベック・ラマスワミ氏とともに率いる「政府効率化省」の設置期限が到来するまでは、トランプ氏の近くにいると思っておくといい。

By Edward Luce

ドイツは「債務ブレーキ」を緩和するか?

 緩和する。

 ドイツの中央政府が1年間に借りられる金額を対国内総生産(GDP)比で0.35%以内と定めた憲法の「債務ブレーキ」条項を緩和せよとの声が大きくなっている。

 防衛費を中心とする巨額の歳出ニーズや不景気に悩まされているためだ。

 債務ブレーキはオラフ・ショルツ氏の連立内閣が崩壊した大きな理由の一つであり、2月の選挙を前にして主要な争点になった。

 世論調査で最も高い支持率を得ているキリスト教民主同盟(CDU)のフリードリヒ・メルツ党首は、どのような組み合わせの連立政権になっても何らかの形での緩和に同意せざるを得ないだろう。

 社会民主党(SPD)も緑の党も、筋金入りの債務ブレーキ批判論者だ。

By Anne-Sylvaine Chassany