2025年末の米国金利は今よりも低くなるか?
そうはならない。
米連邦準備理事会(FRB)のジェイ・パウエル議長が12月の会合後に明らかにした見通しを受け、市場は2025年12月のフェデラル・ファンド(FF)金利を3.9%と予測した。
そうであれば、2024年12月時点のFF金利誘導目標(4.25~4.5%)から4分の1ポイント強しか下がらないということだ。
この予測すら楽観的すぎた。
トランプ氏の唱える減税、関税引き上げ、不法移民の大量送還といった方針は、すでにしつこいインフレの様相を呈している米国経済への物価上昇圧力を高めることになる。
FRBは慎重にならなければならない。
このため、(実際に考えられるように)株式市場が急落しない限りは、慎重に事を運ぶだろう。
一方、クリスティーヌ・ラガルド氏率いる欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行は利下げを継続し、米国との金利差がさらに広がっていく。
By Martin Wolf
マクロン氏はフランス大統領の地位を維持できるか?
できる。
だが、このように問われること自体、かつてそのトップダウンのスタイルから「ジュピター」になぞらえられた人物の立場が弱くなっていることの証左だ。
2期目の終わりまでおよそ30カ月残るなか、エマニュエル・マクロン大統領は夏に解散総選挙に踏み切った自身の判断に苦しめられている。
自陣営が敗北した選挙の結果を受け、批判の矢が大統領に向けられることとなった。
予算案さえ可決できないハング・パーラメント(宙づり議会)、1年間で4人の首相、そして大統領の金看板である経済面での成果の衰えなどが攻撃材料になっている。
こうした状況を受け、マクロン氏の長年の宿敵である極右政治家マリーヌ・ルペン氏と極左勢力が強気になり、行き詰まりを打開すべく大統領は辞任せよと要求している。
「ジュピターたるマクロン」は絶対に辞任しない構えだ。
By Leila Abboud