第一に、経済の適切な多元的発展を推進することだ。中央(政府)は横琴を開発することを決定した。その目的は、マカオ経済の適切で多元的な発展と、マカオ市民の生活・就業の利便を促進することだ。

 第二に、(マカオ)特別行政区の行政効率を上げること。第三に、ハイレベルの対外開放のプラットフォームを打ち立てること。第四に、社会の吉祥と安定の維持・保護に努めることだ。

 中華民族はいままさに、阻むことのできない偉大なる復興の道を邁進している。私が確信しているのは、偉大なる祖国が強力な盾となり、マカオは必ずや発展の新天地を打ち立て、新たな輝きを不断に創造していくということだ。中国式現代化の強国建設の全面的な推進をもって、民族復興の偉業にさらなる大きな貢献を行っていく!」

 習主席が長広舌をぶっている間、新たにマカオを治めることを許された岑浩輝行政長官以下の幹部たちは、まるで体育館で校長先生の訓話を聞く生徒のように、神妙な面持ちで頭(こうべ)を垂れていた。

「マカオにおカネを落としてくれている祖国を愛せ」

 習近平主席がマカオに求めているのは、突き詰めると次の2点である。

 第一に、「マカオ人が治めるマカオ」から、「愛国者が治めるマカオ」への転換だ。私が最後にマカオを訪れたのは、返還20周年式典が開かれた、いまからちょうど5年前だったが、その時も習主席は上機嫌だった。

 マカオは2009年、返還10周年の時に、特別基本法第23条を定めて、反中国組織や行動を禁じた。2017年には、中華人民共和国国歌法をマカオ基本法に組み込んだ。他にもいろいろあるが、こうした一連の「改変」は、隣の香港に見せつけるかのようだ。