再生機器が入手できなくなると、当然ながら記録されたアナログ映像をデジタル化することも難しくなる。国内で最後までVHSのビデオデッキを生産していたのは船井電機だが、すでに2016年に生産を終了している。
家庭用のビデオテープだけではない。テレビ放送などで使われてきたソニーの業務用HDCAM方式のビデオテープも2023年6月に生産を終了している。
すでに生産を終了している関連機器についても、2023年3月末に一般サポートを終了。その後は一部の機種で延長サポートサービス、特別再延長サポートサービスを実施していたが、それぞれ2026年3月末、2028年3月末に終了する。
テープの経年劣化も2025年問題を加速させる
そもそも生産・サポートが続々終了していることに加えて、市場に出回っているビデオテープそのものも経年劣化により寿命が尽きかけている。VHSテープの寿命は20年程度とされる。ビデオテープ全盛期だった1990年代後半から20年以上が経過しているため、再生機器があったとしてもテープ自体の劣化により再生できない可能性もある。
なお、Googleなどで検索すれば、ビデオテープからDVDやハードディスクにダビングするサービスがすぐに見つかる。サービスによっては映像データをクラウドにアップロードしてくれるものもあり、スマホで簡単に観られるようになる。
大掃除で部屋の奥から出てきた秘蔵のビデオテープの扱いに困っていた人は、こうしたサービスを活用してデジタル化してみるのもいいだろう。“お宝”映像に再び出会えるかもしれない。