魔女狩りに動く司法省、FBI、FCC

 前述の「スパイ法」の適用は司法省や連邦通信委員会(FCC)を通じて捜査が行われ、逮捕、訴追ということになる。

 このため(むろんそれだけではないが)、トランプ氏は司法長官にはパム・ボンディ氏、連邦捜査局(FBI)長官にはカシュ・パテル氏、放送通信事業の規制・監督を担当するFCC局長にはブレンダン・カー氏と、それぞれ「忠臣」を指名している。

「スパイ法」は第1次世界大戦に米国が参戦すると同時に制定された法律で、反戦活動家や極左分子の取り締まりに威力を発揮した。

 著名なメディア報道評論家のカイル・パオレッタ氏は、こうした動きについてこう指摘する。

「スパイ法まで持ち出すとは、政治担当ジャーナリストの多くは予想していなかったはずだ。だが実際に起ころうとしている」

cjr.org/donald-trump-wins-press-loses-devastating-media-assault

 主流メディアは、トランプ氏の「魔女狩り」にどう対抗するのか。

 本来なら新大統領誕生から100日間は、大統領とメディアは「蜜月」を共有するのだが、2025年はそうなりそうにない。

「巳年」は「変化の年」。年頭から何が起こるか分からない。